1-4 なぜ「夫婦の性生活」は失われていくのか

 

 

ひと口に「セックスレスの悩み」といっても、
夫婦のどちらもが同じように悩んでいるとは限りません。

 

 

妻が真剣に悩んでいるのに、夫が無関心だったり、
夫がひとりで悶々としているのに、妻が気づきもしなかったり…。

 

 

意外に多いのが、どちらもそれほど深くは悩んでいない、というケースです。
これは、たとえば経済的なこととか、子どもの教育のこととか、仕事のこととか、
ほかにもっと悩んでいることがたくさんあって、
セックスレスのことまで気が回らない…といった理由が考えられます。

 

けれど。

 

 

夫婦の間にセックスがない、そのこと自体が問題なのだと前に申し上げました。
それは、夫婦の関係がお互いに身も心も交わって満たされた状態にないと、
満たされない分を家の外に求める傾向が強いからです。

 

 

必ずしも「浮気」「不倫」といった行動にダイレクトに結びつくとは限りませんが、
家の中に安らぎがなければ、気持ちが自然と外に向かい、
いっしょに暮らすメリットが感じられなくなり…。
ついには「離婚」という結果になってしまいかねません。」

 

 

40歳以上の男女千人を対象にしたある雑誌のアンケートでは、
結婚後に配偶者以外とセックス経験があると答えた人が、
男性で48.2%、女性で13.6%でした。
一般に、女性のほうがこうしたことは正直に申告しませんから、
この数字はもっと多いということも考えられます。

 

 

パートナーとはセックスレスなのに…。
それとも、パートナーとセックスレスだから…?

 

 

いずれにしても、40代・50代の夫婦では、まだまだ性欲は健在で、
ただそれがパートナーに対しては向けられないだけ…ということのようです。

 

 

【妻の本音】

 

いやでいやでたまらない…
なければないほうがいい…
させてあげているだけ…
苦痛しかない…
無理してつき合ってあげている…
気持ちが悪い…
どうしても受け入れられない…

 

 

【夫の本音】

 

妻には性欲を感じない…
なんとなくその気になれない…
むしろ面倒くさい…

 

 

理由はいろいろあるにせよ、
このような状態が長く続くことが
夫婦にとって良い影響をもたらすはずがありません。
最悪の場合、夫の抑圧された性欲が、
痴漢や少女買春などの性犯罪に向かうこともありえない話ではないのです。

 

 

本当なら、夫婦にとってとても大切な営みであるはずなのに、
どうして性生活が失われてしまうのでしょうか?

 

 

根本にある原因は、
夫婦として相手が自分に求めているものが何なのか、
その本質を見失っているということなのです。

 

 

 

 

「セックスレス自体が夫婦の問題」だというのは、
夫婦がお互いに心の中に抱えている問題が表面化したものが
セックスレスという現象だからです。
ここを無視しては、話は先に進みません。

 

 

妻は夫に対して、こんなことを求めています。

 

「わたしの話をよく聞いてほしい…」
「いたわりやねぎらいの言葉をかけてほしい…」
「頭ごなしにお説教しないでほしい…」
「話は最後までちゃんと聞いてほしい…」
「家の中のことも手伝ってほしい…」

 

 

いっぽう、夫はこんなことを妻に求めています。

 

「自分のプライドを傷つける言い方や態度はやめてほしい…」
「自分を家の主人として認めてほしい…」
「どんなときも自分を立ててほしい…」
「自分を信じてついてきてほしい…」

 

 

お互いに相手の求めていることを理解し、受け入れ、
相手の気持ちを満たしてあげるように働きかけることが、
夫婦の信頼と愛を育むことになります。

 

 

もちろん、セックスレスにはもっと具体的な原因がいくつも考えられますし、
それらについての具体的な対策もあります。
けれど、この根本を理解していない限り、
本当の意味でのセックスレス解消は難しいのです。