1-5 豊かな夫婦の性を営むために…

 

 

性欲は、食欲や睡眠欲と並ぶ、人間の三大欲求です。
そして、性欲は男性だけのものではありません。
女性にも性欲はちゃんと備わっているのです。

 

 

ただ…。

 

 

わたしも含めての話なのですが、
どうも、多くの女性は、自分に性欲があるということを認めたがりません。

 

 

やりたがるのは、男だけ。
女は、しなければしないでも平気な生き物。

 

…本気でそんなふうに思っている人も少なくありません。

 

 

これはおそらく、幼少期に受けた教育や、周囲の環境などの影響が大きいと思います。

 

 

セックスとは、美しい愛の行為。
性欲だなんて、そんなふしだらなこと…。

 

 

それは、確かにその通りです。
けれど、自分のことについてそう思っているだけならいいのですが、
女性はつい、男性の性欲まで自分の基準で判断しがちです。

 

 

 

「今夜もしたいの? ゆうべしたばっかりじゃない!」

 

 

そんなふうに口に出してしまったり、態度で示したりしたことはありませんか……?

 

 

個人差はありますが、毎日でもセックスをしたいという男性もいます。
そうした男女の性欲の違いを理解しないで、自分の基準で相手を批判してしまい、
結果的に夫のプライドを傷つけてしまうことが、妻にはしばしばあります。

 

 

もちろん、悪意はないんですが…それだけにタチが悪いともいえます。

 

 

 

「悪意がない」ということは、
「自分には非がない」と思うことです。

 

 

自分には非がないのだから、夫が勝手にすねているだけ。
そう考えて、一方的に夫を非難するばかりか、
妻は自分のほうこそ被害者だと感じてしまうのです。

 

 

…たとえば、ひどい空腹に悩まされているとき。
とにかく何か食べたい、何かを口に入れてこの空腹をまぎらわせたい、
と感じることはありませんか?

 

 

…あるいは、眠くて眠くてしかたのないとき。
5分でいいから横になりたい、せめて壁にもたれて目をつむりたい、
そう強く思ったことはありませんか?

 

 

男性にとって性欲が満たされない状態というのは、
それらと同じようなものだと考えてみてください。

 

 

「ゆうべたくさん食べたんだから、今夜は食事しなくてもいいでしょ?」
「ゆうべいっぱい眠ったんだから、今夜は寝なくても平気でしょ?」
そんなことを言ったり、考えたりする人は、いないですよね…?

 

 

自分は、それくらい理不尽なことを夫に要求しているのだ、と理解してあげてください。

 

 

もちろん、全面的に夫の要求を受け入れろ、と言っているのではありません。
自分が譲歩する分、相手にも譲歩を求めていいのです。

 

先ほどのたとえで言えば、
「朝ごはん食べるのが遅かったんだから、お昼は軽くでいいでしょ?」
「こんな時間に昼寝したら、夜眠れなくなるでしょ。もうじき晩ごはんだから、起きて待ってて」
そんなふうに、欲望をコントロールすることを覚えさせるのがコツです。

 

 

子どもではないのですから、何を言っても聞く耳を持たず、
「食べたいから食べる!」「眠いから寝る!」と主張する人はそうそういないはずです。
「セックスしたいからする!」というのでは、自分の欲望をコントロールできていない証拠です。

 

 

 

賢い妻は、夫に欲望をコントロールさせるのが上手です。

 

 

それには2つのポイントがあります。
「朝が遅かったから」「夜眠れなくなるから」のように、理由をキチンと説明すること。
「軽く」=量、「晩ごはんまで」=時間、などについて具体的な代案を示すこと。

 

セックスもまったく同じです。

 

 

「明日の朝早いんだから、今夜は軽くするだけ、ね?」
「今日はいろいろあって、とっても疲れてるの。だから、明日にしましょ?」

 

 

こんなふうに、夫の欲望をやさしくなだめてあげることです。
理由も言わずに「イヤ」「ダメ」とそっけなく拒絶され、
次のチャンスがあるかどうかもわからない状態では、
男性の欲望は行き場をなくし、はけ口を「外」に向けるようになってしまいます。

 

 

また、「夫婦でいっしょに過ごす時間」を確保することも重要です。

 

特に30代40代の働き盛りの夫婦は、お互いに仕事や家事、育児で忙しく、
そのうち暇を見つけて…などといっても、なかなか時間が合いません。

 

 

何もしなければ、時間はただ過ぎていくだけです。
夫婦がそれぞれ努力することで、はじめて時間がつくれるのです。

 

 

そこで、ふたりであらかじめ話し合っておき、
「この日は夫婦でいっしょに過す日にしましょう」とか、
「毎週○曜日の○時からは、ぜったいに家にいてね」とか、
協力して夫婦の時間をつくるようにしてはどうでしょうか。

 

 

夫婦の時間は、必ずしもセックスをする時間とは限りません。

 

でも、週に一度、あるいは月に一、二度でも、
ふたりでゆっくりと過ごす時間をつくれば、
お互いの不満やイライラを解消することもでき、
セックスもスムーズに行うことができるはずです。