3-9 心理的原因によるED〜5つのタイプ

 

 

心理的なものが原因のED 5つのタイプについて

 

 

【病因1 予期不安】

 

 

「予期不安」とは、これから起こることとその結果をあらかじめ予期してしまい、
まだ起きてもいないその結果に対して不安になることをいいます。

 

受験の直前に、試験に落ちてしまった自分を想像して不安になったり、
大事な約束の前の晩に、寝坊して遅刻するのではないかと不安で眠れなくなったり、
…そういう経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

 

 

EDの予期不安も同じことです。

 

 

「今夜はうまくセックスできるだろうか…?」
「彼女を満足させることができるだろうか…?」

 

 

そんな不安な気持ちが、
過去に失敗したときの経験や、そのときのパートナーの反応を思い出させ、
さらに不安が増大します。

 

 

予期不安によるEDは、たいてい生真面目で、失敗を軽く受け流せず、
深刻に受け止めてしまうタイプの男性に起こります。

 

 

じつは、どんな男性でも1度や2度はセックスに失敗した経験があるといいます。
「初体験のとき、緊張しすぎて…」とか、
「お酒を飲みすぎて…」とか、
勃起しなかったり、挿入前に射精してしまったりという経験は珍しくないそうです。

 

 

でも、そんな自分の失敗を笑い飛ばせる男性ばかりではありません。

 

 

過去の失敗をいつまでも引きずっていたり、
あるいは経験が少ない(またはない)ために不安が高まり、
勃起のメカニズム(2-5参照)が途中で阻害されてしまうことがあります。

 

こうした予期不安によるEDは、クリニックなどでも1、2を争うほど相談件数の多い、
ある意味ポピュラーな病因ということができます。

 

 

 

【病因2 パニック障害】

 

 

「パニック障害」とは、あるとき突然、
動悸・息切れ・発汗・四肢の硬直などの発作に見舞われることです。

 

ハァハァと息が荒くなる「過呼吸」の状態になり、血圧が上昇しますが、
たいていの場合は心臓に異常はありません。

 

 

こうしたパニック発作に襲われた人は、あまりの苦しさに「死の恐怖」を味わいます。
発作が治まった後でも、その恐怖はその人の記憶に焼きついてしまいます。
そのために、動悸や息切れ、心拍数が早くなるなどの症状に過敏に反応するようになります。

 

 

セックスのドキドキ・ハァハァは、パニック発作のときの心拍数や動悸・息切れに
表面的にはよく似ています。

 

すると、記憶に焼きついた「死の恐怖」がよみがえり、セックスどころではなくなります。
このためにEDとなってしまうのです。

 

 

 

【病因3 軽症うつ状態】

 

 

「軽症うつ」とは、うつ病とまでは診断されていないものの、
慢性的な疲労感や意欲の低下が認められる状態をいいます。

 

 

昨今の厳しい社会状況の中で、「軽症うつ」の患者は激増しています。
ただでさえ、会社内での人間関係や仕事量の増加、リストラの危機感など、
男性が外の社会でさらされている競争は激しさを増しています。

 

 

そんな中で、せめて家庭では安らぎと癒しを求めてしまい、
セックスなどの疲れる行為はカンベンしてほしい…と考えているのです。

 

 

性欲自体はあるのですが、手軽なマスターベーションなどで処理することを望み、
できればセックスはしたくないという心理です。

 

 

なお、うつが重症になれば、性欲そのものが消滅します。

 

 

 

【病因4 不妊治療】

 

 

子どもが欲しいために不妊治療を受けているとき、
医師から「排卵日の朝に性交するように」などと指示され、
それがきっかけでEDになる、というケースです。

 

 

こちらから治療を望んだとはいえ、他人からセックスの日時まで指定され、
まるで種馬扱いされているようだと心理的な抵抗を感じ、それが勃起を邪魔するわけです。

 

 

さらに、性交後に妻の膣内に残った精液状態を検査する場合もありますが、
これがまるで自分たちのセックスを覗かれているようで嫌悪感や不快感をもたらします。

 

本来はプライベートなはずの夫婦のセックスに、第三者が介入してくることへの
抵抗感によってEDになってしまうのです。

 

 

 

【病因5 ターン・オフ】

 

 

心因型性欲低下症の直接因(3-1参照)のところでご説明した、
ターン・オフ・メカニズムによるEDです。

 

ある時点で、セックスに対するスイッチを無意識に切ってしまうのです。

 

たとえば、パートナーが妊娠を望んでいない場合、それを避けようとして
急に明日の仕事のことを考えはじめ、勃起をうながす性的興奮のスイッチを切ってしまう。

 

これは、挿入直前で急にペニスが萎えてしまう「中折れ」や、
挿入しても射精直前にスイッチを切ってしまう「膣内射精障害」などの原因にもなっています。

 

 

 

このほか、タバコや薬物などの影響による「外因性ED」や、
経験の浅い若い人たちに多い「思い込みED」とでも呼ぶべきものもあるといいます。

 

 

 

 

 

【EDの治療法】 

 

 

ノン・エレクト法:勃起していないペニスを挿入し、
一番敏感な亀頭部に全感覚を集中して膣内の温かさを感じようとする訓練。

 

このとき、決して「勃起させよう」と考えてはいけない。
なお、この訓練にはパートナーである女性の協力が不可欠である。