精神科のクリニックなどに相談が寄せられる性嫌悪症は、
それぞれ固有の問題を抱えていますが、専門家の分析によると、
おおむね次の6つのタイプに分類されるそうです。

 

 

ひとつひとつ、代表的な臨床例を挙げて解説していきましょう。

 

 

【性嫌悪症の6つのタイプ】

 

 

 @ 結婚すればいつでもできると思っていたら、やがて照れくさくて言い出しにくくなった

 

 A 結婚相手が、男性の母親に顔や性格が似ていた

 

 B ラブホテルなどではセックスが可能だが、家庭の匂いがするとできなくなった

 

 C 何度も失敗をくり返して、自信がなくなった

 

 D 妻を満足させなければいけないと思い、それがプレッシャーになり疲労してしまった

 

 E 憧れの人と結婚できたため、嫌われるんじゃないかと恐れてできなくなった

 

 

 

ほとんどが成長後のある段階から(獲得型)・特定の女性にだけ(状況型)の性嫌悪症です。

 

 

ただし、Cなどの場合、症状が悪化するとどんな女性でも(全般型)になる可能性もあります。

 

 

 

【事例1 照れくさくて言えない】(結婚3年目/夫35歳・妻29歳)

この夫婦は、結婚してからいわゆる「親友同士の関係」になってしまったパターンです。
夫婦仲は円満で、セックス以外の話題なら何でも遠慮なく話し合える関係だったそうです。

 

結婚前までは、それぞれひとり暮らしをしている相手の部屋へ泊りに行き、
セックスも順調だったのですが、いざ結婚してひとつ屋根の下で生活を始めると、
お互いにセックスのことを口に出すのが照れくさくなり、しだいに回数も減ったといいます。

 

 

もともと夫婦の会話はあったほうなので、カウンセラーのアドバイスにしたがって、
お互いにあまり恥ずかしさを感じないような表現や、夫婦の愛のサインを決め、
できるだけ相手とのコミュニケーションをとるようにしたところ、
最近では少しずつうまくいくようになってきたそうです。

 

 

 

【事例2 母親に似ていた】(結婚4年目/夫37歳・妻35歳)

この夫婦のケースでは、結婚するまでは妻が夫の母親に似ているなんてことは
全然気づかなかったといいます。恋人同士という関係性で接している間は、
案外気づかずにいるカップルも多いようです。

 

結婚して妻が家庭に入ってから、ふと夫が母親と妻の類似に気づいて、
それから意識するようになったそうです。

 

すると、それまでふつうにセックスできていたのが、
急にできなくなってしまったのだとか…。

 

夫には性欲はふつうにあり、風俗店などで処理しているそうですが、
妻とのセックスは結婚してからほとんどなくなってしまったといいます。

 

なお、タイプが似ているせいか妻と姑の関係は良好だそうですが、
そのこともますます夫の欲望を妻から遠ざけてしまっているのかもしれません。

 

 

 

【事例3 家ではできない】(結婚7年目/夫33歳・妻34歳)

この夫婦は、結婚してしばらくはセックスもしていたし、夫婦仲も良好だったそうです。
セックスレスになったのは、妻が2人目の男の子を出産してから。

 

もう4年近くも、セックスはおろか、スキンシップもほとんどしなくなっていたといいます。

 

カウンセラーに相談した結果、
夫は、家庭の匂いを感じさせる場所ではその気になれないということだったので、
一度夫婦でラブホテルへ行くようにアドバイスしてみたところ、
そこではうまくセックスすることができたそうです。

 

ただし、あいかわらず家ではできないし、
子どももいるのでそうそうホテルへ行くこともできず、
今も問題は解決していません。

 

 

 

【事例4 自信がなくなった】(結婚3年目/夫29歳・妻28歳)

この夫婦の場合、夫は妻とつき合うまでは童貞で、
結婚前のセックスでも何度も失敗したということでした。

 

結婚してからも、夫は早漏気味で挿入前に終わってしまうことも多く、
妻は不満を感じていたそうです。

 

このことで夫は悩み、また失敗してプライドが傷つくのを恐れるあまり、
セックスを避けるようになり、最近では妻のことも避けているといいます。

 

 

 

 

【事例5 妻を満足させたくて】(結婚2年目/夫25歳・妻25歳)

この夫婦は、妻が極度の恥ずかしがり屋のためにセックスのときの反応が薄く、
そのせいで夫がセックスに自信を失ってしまったといいます。

 

夫はそれなりに性経験も豊富で、今までつき合った女性は全員セックスで満足させていた、
という自信を持っていたため、声も出さず息も荒げない妻の反応を見て、最初のうちは
「次こそはオーガズムを味わわせてやる」といろいろなテクニックを試していたのだそうです。

 

けれど、妻はあいかわらずほとんど無反応で、そのうち夫も、
毎回「妻を満足させなければ…」と緊張するのがプレッシャーになり、
セックスそのものから遠ざかってしまったそうです。

 

このケースでは、カウンセラーが妻と面談し、恥ずかしくてもきちんと思っていることを
夫に伝えるようにアドバイスしたところ、少しずつ関係改善がみられるようになったそうです。

 

 

 

【事例6 嫌われたくなくて】(結婚6年目/夫40歳・妻28歳)

この夫婦の場合、夫はひと回りも年下で、職場のアイドルだった女性を妻にめとりました。
それだけなら人もうらやむような境遇だったのでしょうが、
夫は結婚した後も自分に自信が持てずにいたそうです。

 

「自分は見た目もさえないおっさんだし、妻にふさわしくないんじゃないか…」
そう思うと、見ていて哀れなくらい献身的に妻に尽くしたといいます。
セックスを誘うときも「こんなことをしたら妻に嫌われるんじゃないか…」と、
内心かなりビクビクしていたそうです。

 

ところが、そんな夫の卑屈とも見える態度が妻をいらだたせたものか、
だんだん関係がギクシャクしてきたため、夫はさらにうろたえます。

 

 

そして、何が妻を怒らせたのかと必死で考え、妻に嫌われたくない一心で、
「何もしない」ことに決めたのだそうです。
ただし、何もしないことでさらに妻の心が遠ざかりつつあることには、
夫はまだ気づいていないようです。
嫌われないために何もしない、という判断でセックスレスになってしまったパターンです。